ワーキングアグリーメント
チームビルディングとチームワーク維持を兼ねて…
スクラム研修の支援活動をしていると、チームビルディングの相談を受けることがよくあります。チームにまだ一体感を作れていないので、スクラムの施策が進まない…ということはよくあるかと思います。
チームの一体感を作るには、日本的「飲みニケーション」も有効ですし、心理的安全性ゲーム、アンガーマネジメントゲーム、エンゲージメントカードなど様々なツールも活用できます。
以前、アジャイルコーチの和田さんから、ワーキングアグリーメントを通じたチームビルディング手法を教わり…何度もやっていますが…この手法を解説する記事がググっても見つからないので、自分で残すことにしました。
ワーキングアグリーメントとは?
簡単に言うと「仕事のやり方に関する合意」です。例えばチームのWeb会議で
カメラはONにすべきだろ
この会議はOFFで問題ないだろ
と、意見が割れそうな時もそのままにしていること、多いですよね。こういったチーム内の働き方のルールのうち、重要なものを定義して共有するのが「ワーキングアグリーメント」です。ワーキングアグリーメントはつねに確認し、更新して行く必要があります。
ワーキングアグリーメント作りを通じて、チームビルディングにもなる方法をご紹介しようと思います。2時間くらいかかるエクササイズですが、ある顧客のマネージャーには「飲み会3回分くらいの効果がある」とご評価いただきました。是非お試しください。
ワーキングアグリーメントとは?
簡単に言うと「仕事のやり方に関する合意」です。例えばチームのWeb会議で
カメラはONにすべきだろ
この会議はOFFで問題ないだろ
と、意見が割れそうな時もそのままにしていること、多いですよね。こういったチーム内の働き方のルールのうち、重要なものを定義して共有するのが「ワーキングアグリーメント」です。ワーキングアグリーメントはつねに確認し、更新して行く必要があります。
ワーキングアグリーメント作りを通じて、チームビルディングにもなる方法をご紹介しようと思います。2時間くらいかかるエクササイズですが、ある顧客のマネージャーには「飲み会3回分くらいの効果がある」とご評価いただきました。是非お試しください。
目的
このエクササイズには、2つの目的があります。
チームメイトを理解しあって生産性を高める。
それぞれの性格や考え方を理解しあった上で、リスペクトしてチームワークを高める
自分たちの働き方のルールを作る
自分たちで作ったルールは守られやすい
この目的を達成するために、新しいメンバーが加わった場合は…毎回このエクササイズを実行するのが望ましいです。新しいチームメイトと理解しあい、新メンバーも含めたルール再定義を行うことで一体感を作ります。
最初やる5つのお絵描き
オンサイト開催ができれば、付箋とペン(できればぺんてるのサインペンくらい太いのが良いです)を用意します。
オンライン開催の場合は…オンラインホワイトボードと簡単な描画ツール(WindowsのPaintで十分です)があれば良いと思います。
そして順番に出す5つのテーマに書いて絵を書いて、全員に共有します。
絵を書いてもらうというと…苦手な人は嫌がるかもしれません。しかしこれを文章で表現してしまうと効果が半減してしまうので…「絵のうまさを競うものではなく…棒人間で十分」とメンバーに伝えて参加してもらってください。
お絵描きする5つのテーマ
以下の手順を
数分で書く(最初は5分程度、慣れるので徐々に減らして最後は3分程度)
一人ずつ内容について発表
以下の5つのテーマに対して繰り返します。
テーマ1:過去最高(もしくは最低)のチームメイト
期待するリーダー像(もしくは反面教師)を共有し、価値観を伝え合います
社内の個人名を出すとリアルすぎるので出さない。学生時代やプライベートの話でもOK。
テーマ2:自分の持つスーパーパワー
自分のストロングポイント。仕事でなくても、くだらなくて…何でもOK。
テーマ3:みんなにどんなサポートをして欲しいか?
自分のやる気スイッチを直接話してもらいます?
テーマ4:どんな時にストレスを感じるか?
自分はどんな風にしてされると、ストレスが溜まるのか?
テーマ5:もっともガッカリした体験は?
どんな状況だと自分は悲しくなり、やる気が出なくなるのか?
オンラインの場合は、それぞれの環境に合わせて…「ローカルのPaintにマウスなどで気合でお絵かきし…コピーしてホワイトボードツールに貼って語る」といった方法が考えられます。
ここまでで、チームメイトの正確や考え方が浮き彫りになってきます。この貼り出された絵を眺めながら…チームの「ワーキングアグリーメント」を作るプロセスに入ります。
数分取って、チームで規定すべきルール案を沢山付箋に書いていきます。
この「絵を書くワーク」を参考に…例えば「Web会議に遅刻されるとストレスが感じる」メンバーがいたなら「Web会議5分前には入って雑談する」「Web会議1分前に当番がChatでコメントする」などのルール案が出るかもしれません。できるだけみんなが「支え合えて、ストレスなく、やる気の出るルール」にしていくのが理想です。
ワークで書いた絵とは関係なく、チーム活動の内外で感じてルール化したいと思うことは…どんどん書いて構いません。
一通り書けたら、内容をグルーピングします。同じようなことが書かれている場合も多いので…残すのを選んだり、合わせた表現に書き換えたりします。残ったルールが10個以下であれば決定!ということで…箇条書きにしてまとめて…チームがいつも見る場所に貼り出したりして共有します。
10個以上だった場合は、大抵のオフィスにあるラベルシールを使い1人5票渡して投票で決めるのが良いです。
掛け声に合わせて、それぞれの案に対して5段階評価で何点かを…指で表し平均点を出す「Fist to Five」などで点数をつけて上位10個を選んでも良いです。
声が大きい人に引っ張られすぎず、民主的に決めるのがポイントです。
メンテナンスし続けるのが大事
できあがったワーキングアグリーメントには「期限」を設けて明記します。最初は3ヶ月後位が良いかと思います。期限が近づいたらチームで集まって内容のメンテナンスをすると良いです。お絵描きからやり直しても良いですし、内容案を書いて投票するところからでも良いです。
毎スプリントのレトロスペクティブで出てくる改善のアイデアによっては、ワーキングアグリーメントを追加・変更・削除すべきものもあるかもしれません。また前述の通り、新しいメンバーの加入があればお絵描きからやり直すことをおすすめします。
ワーキングアグリーメントは、チームでメンテナンスし続けることが重要です。